地球の民の子等

世界の若者達へ託す切なるねが


グローバル デモクラシーへの道(6)

- 新型コロナウイルスの脅威が教えるもの -

これが私の杞憂であって欲しいと希っている。だが次のような考えを払拭出来ない。これは人智人力を当然越えて私達人類をも支配している、宇宙を司る力からの警告なのではないかと。 地球からみれば人間の存在はガン細胞みたいなものだと、捉えられるかも知れない。

異常気象というのが、年々激しくなって続いているのに必ずしも世界のリーダー達はそれを最優先に掲げていない。いま頼っているアルコール消毒は、 いつまで(あと何年)効くのでしょうか。これが効かなくなったらどうしましょう。

地球環境を心配している若者達の代表グレタさんの嘆きに対して、リーダー達の中にもっと経済学を学べと申した人も居る。 リーダーたちの傲慢さが感じ取れます。彼女の表情は一向に晴れない。

私達はこれ迄今日より明日、明日より明後日と生活の便利さと豊かさを希い、これに応えて、選挙の立候補達も大事な事でも難しい問題(簡単に解決の見通しが立たない)は後まわしにして、 耳当りのよい、聞き易いスローガンを揚げる候補者に私も投票して来た。その結果のツケがいま現れているのです。
民主主義的選挙(現行の)が執り行われる事で、民主主義の政治が執り行われ私達の希い(多くの人達が幸せになれる)が達成出来るものと安易に考えて来たのではないか。

以前も申し述べましたように、私達は自由に考えて自由に行動せよと云われても、お手本や、反手本がなければ先ず行動出来ないような気が致します。

人間は過ちを犯す存在なのです。気付いた時、速やかに修正出来ればよろしいのですが、 〝力ある者〟程、自らの地位と名誉を損なう事を第一義に考えて、私達一般人達のように 柔軟に考える事が出来ないのではないかと案じて居ります。
G7・G20等これ迄のリーダー達に全て任せ切りにしておいて本当に大丈夫なのか。 私達一般人の考えを集約集結し、彼等に提示し優先的に取り上げて貰う方法(民主主義社会では当然の権利なのですが)が、現実的にないのかと考え、望んで居ります。

多く〝物〟をつくり、多く〝作ったもの〟を多く売って好景気だと喜ばれて居ります。〝物〟をつくる資源も当然地球の資源です。

地球の資源も無限ではないでしょう。資本主義は競争という手段によって私達の夢(欲望)を増大させそれがずうっとこの侭 続いてゆけるような錯覚を持たせて了ったのではないか。はじめがあれば終りがあります。これは真理です。オリンピックのメダルの数と色を競うのも、この先何回催されるのかしらと、ふと不安がよぎります。

資本主義は競争という手段によって私達の夢(欲望)を増大させそれがずうっとこの侭続いてゆけるような錯覚を持たせて了ったのではないか。 はじめがあれば終りがあります。

これは真理です。オリンピックのメダルの数と色を競うのも、この先何回催されるのかしらとふと不安がよぎります。 生まれた以上、自らの生命をつつがなく保ち、生き続ける事を誰れもが希っているし、それは当然であります。

民主主義社会では自分の命と未来を自分で管理出来得るようにもなって参りましたのに過去の支配社会のような支配体制がいま(現代)も巾を利かせているようです。

自動車が多く売れなくても生きてゆけるのに食糧生産が途絶えたら即生死にかかわります。 それ程人間にとって重要欠くべからざるものなのに、何故日常私達はそれに注目しないのでしょうか。

彼等がやってくれるのは当たり前と捉えているのでしょうか。 これについては後日、申し述べます。一次産業に従事している農家の跡取りがなく、毎年辞める人が出て減って来ていると報道されて居ります。 又、街工場等でも同じく跡取りがなく、辞めていると云われて居ります。どちらも私達日本人にとって欠かす事の出来ない大切なものです。

大きな事はいい事だと、競争力を高める為に企業合併等が為されて参りましたが、それで失ったものの中に、取り返しのつかない大切なものが、含まれているような気が致してなりません。

先にも申し述べましたように、個人個人一人一人をみたら100%の善人も100%の悪人も居ないでしょう。 対面する事態に応じて良心と、欲のはざまに揺れているというのが普通でしょう。

治められる歴史が長かった私達は、自分の判断を求められる以前に、大方やらなければならない役目が決められていて、特別右左思考しなくてもそれに従って、目の前に与えられた仕事に精を出して居ればよかったのです。 そういう時間が先祖伝来無意識に私達の習性となって居残っているのです。

又、組織が大きくなると個人個人の良心が隅っこに追いやられ、欲望の方が大きく前面に出て来るようにも思われてなりません。だから大きくなる事は良い事だとは言い難いです。それに権力の座にある人に見えた景色は、私達と全く別なもののような気が致してなりません。

彼等(権力者)の多くは現在の自分の地位を永続させようと、その持っている力を使って来たし、いまも使っている、これからもそれを保とうと第一義に考えて、 必ずしも正当な手段を取らずに、邪しまに法律をねじ曲げたり作ったりする例が後を絶たないでしょう。権力を手にした人間は手放さない。と云われますが、それではデモクラシーは成り立ちません。

明日を知れない生命を抱えている人間はもともと弱い存在なのです。 だから強くなりたいのです。出自によって生きる場が決まっていた時代の方が、或る意味で生き易かったのかも知れません。しかし、これからデモクラシー社会を生きる私達は常に分別判断、取捨選択をして生きる道を自分で、決めて行かなければなりません。

誰かに任せ切りをしていたらその誰れかがつい無理をして強がり、デモクラシーをゆがめてしまう危険性大なのです。 それが私達人間の限界ですから互いに夫々の持っている能力を尊重し、 互いに出し合って助け合って分別し合って私達が持っている不完全さを補い合って行くのが、デモクラシーなのです。

今迄人類が歩んだ事のない〝道〟グローバルデモクラシーへの道をみんなで考え創り出し、つまづきながらも歩を進めなければならないのです。 日本国憲法の下に平等に文化的生活を保障されている筈の私達国民ですが、現在の生活を支えている仕組みは必ずしも平等でない。

先程も話しました食料生産等私達の生命を支えてくれている一次産業従事者等の扱いがそうです。跡取りが居ないというも然り。将来の保証がないからです。

それに比べて公務員も大事な業務ですが、将来の保証という点で格段の差が生じて居ります。 彼等(公務員)には少額でない退職金と、景気に大きく左右されない一生保障の年金があるのに比べたら、私達民間人の扱いは格段の差があり過ぎです。

若者達の多くが公務員志望、大企業就職を望む風潮は年々増して居ります。将来の保証という点で当然でしょう。本当にこの侭でよろしいのでしょうか。 農家の跡取りのみならず、その他の一次産業町工場の跡取りが続かないというのも同様の問題でしょう。

唯、羨ましいからと、申しているだけではありません。人間生活の根幹を支えている基幹産業がすたれて行ってよろしいのでしょうか。

基幹産業現場の従事者は公務員同様一生保障されるべきです。彼等の多くは昼夜倦まず働いて居るのに、働く者(労働者)の権利を声高に主張し、 労働時間云々、休日手当云々と要求を掲げてデモるのを見た事も聞いた事もありません。(私の知る限り)日本の知恵と称される物を生み出して来た町工場等も同様でしょう。

憲法の下に平等でないのは明らかではないでしょうか。金メダルの数に一喜一憂した私ですが、金メダルの数が少なくても即、私達の生命を脅かしません。 彼等は国土を愛し、地球の声を聞いているのではないかしら。

多くの収入を望まない訳ではないけれども、それ以前に彼等に精を出させている力は何なのでしょうか。

日夜を倦まず黙々と業務に励む彼等に私達は甘え過ぎて居りませんか。 彼等の存在をもっと話題にし、メダルに負けない褒章を与えるべきです。その将来を保証して上げたら跡取りも出来て、日本の未来も安泰で確固たる存在で居れるでしょう

政治家達は国民の将来の生活を第一義に考えてくれている筈だと、私達は思って居りますが、必ずしもそうではない。悲しいかな、やはり自分の存在(地位)を守るのに必死で、 私達の生活を守るのはその次のように感じられてなりません。

それも世界の大国の意志に従っているように見えます。私達の望みよりも。完全でない弱い人間に期待し過ぎては駄目なのです。 いま私達が手にした〝主権在民〟〝民主主義〟を私達は十分自覚し扱い馴れているとは言えません。

全て唯今からでも知恵を出し合って学ばなければならないし試行錯誤をしなければならないでしょう。 グローバルデモクラシーが成人する迄、地球環境(経済の大前提)は待っててくれるでしょうか。 それが最も案じられる事です。

地球の民の子等、日本の若者達、世界の若者達よ。あなた方に重い課題を残して申し訳ございません。地球上での覇権争いどころの次元を超えた事かも知れません。 人間は自分の身の丈に合った生活を為すべきでしょう。

G7・G20のリーダー達に任せすぎは駄目なように思われてなりません。あなた方のこれからの行動を期待するしかありません。

民主主義を最も効果的に具現してくれる、として来た選挙の甘い〝ワナ〟大事な難しい問題を後まわしにして表に出さないで、 目先の聞き易い話に投票して来た私達はその〝ツケ〟につき合わされているのです。

戦争だけで輸送力が止まるのではない事が、今回のウイルス騒動でよく分かりました。 もっと広範囲に影響が出る事も。他国からの輸送される食料等に頼っているのは、とても心もとない事もようく分かりました。

先ず手近な物を食して生きる。それが基本中の基本です。地球は君達(人類)だけのものではない。これ以上君達の好きなようには任せられない。 人類追放(地球上からの)のスイッチが押されたのではないかと、私は恐れました。

今更申し上げる迄もなく、この苦難を乗り切るには全世界の知恵と、力の結集が必要です。最早争っている余裕はないでしょう。

[グローバルデモクラシーへの道 6]
令和二年年二月二十五日 青森新都市病院にて
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